ハンドメイドルアーに使用される木材(樹種)はバルサ、ジェルトン、アガチス、ヒバ、桐、檜などがあります。これらの木材は浮力や硬度に違いがあるので、ルアーを作る際は釣りの目的に合った木材を選ぶことになります。例えば川釣りがメインだったら「アクション重視のバルサ材」、大型の青物を狙っているのであれば「強度に優れたアガチス材」、と言った具合です。今回は、この数ある木材の中から私との付き合いが最も長いバルサ材にフォーカスしてみることにしました。
まだDIYショップなんてなかった頃、私の住む小さな町でも唯一バルサ材だけは、プラ模型屋さんで購入することができました。ですからバルサ材は私にとって、いや、全国のハンドメイドルアーを作る方々にとっても身近で馴染みが深い木材ではないでしょうか。そんなバルサ材を今さらここで採り上げるのはヤボかも知れませんが、良いルアーを作るために「しつこく」「粘っこく」考察していきます。
まずは幅80ミリ×長さ600ミリ×厚さ5ミリのバルサ板を数枚ハカリに掛けてみました。 その中で一番軽いものが23.8gしかないのに対し、一番重いものは39.6gもあります。見た目は同じように見えるバルサ板でも重さを量ってみると、このように重量差があることがわかります。ルアーは板を二枚抱き合わせて作るのですが、もしもこれだけ重量差があるバルサ板を抱き合わせてしまったら大変、その時点でそのルアーはアウト!。左右のバランス悪過ぎです。
こういう失敗をなくすために、この段階でバルサ板を二枚抱き合わせるのではなく、まず最初に一枚のバルサ板を、これから作るルアーのサイズに合わせてカットしていきます。今回使用するバルサ板の長さは600ミリで、120ミリ刻みにカットしていくと幅80ミリ×長さ120ミリのものを五枚とることができます。この五枚の板にマジックペンでA、B、C、D、Eと印した後、一つ一つハカリに掛けていきます。
そして重さが等しいものを抱き合わせて1セットとします。ここではA(4.1g)とB(4.2g)とを1セット、C(4.3g)とD(4.6g)とを1セットとしました。残ったE(5.9g)はこの時点でボツになるのですが、使い道はいろいろあるので捨てずに置いておきます。
次に、その抱き合わせて1セットにしたバルサ板を三等分にカットして、幅26ミリ×長さ120ミリの帯状の板を三個作りました。つまり、これでルアー三個分の材料ができたということです。
板にA左A右、B左B右、C左C右とマジックペンで印しを付けて、今度は抱き合わせていた双方の板を離します。
ここで重さの最終チェック!。この帯状のバルサ板を一つ一つをハカリに掛けていきます。ここまでくれば双方の重さはほぼピッタンコなのですが、まれに木目の違いが原因で重量差が大きくでることがあります。そういうところを見逃さないように念には念をいれて量ります。
A左が1.4g、A右が1.4g、B左が1.3g、B右が1.3g、C左が1.4g、C右が1.5gという計量結果がでました。重量差がでたのはCの左右だけ、この重量差も許容範囲内なので合格です!。計量が終われば元どおりに板を抱き合わせ、この後に控えている削り出し作業に備えます。
今回おこなった材料の計量作業を見て「そこまでする必要はあるのか!」と思った方も中にはいるでしょう。実際のところ、そこまでしなくても魚は釣れるかも知れません。では、なぜこんなに手間をかけてルアーを作るのか?。それは「ここまで手をかけたんだから絶対釣れる!」と自信をもって自作ルアーが使えるようになるからです。
ルアーフィッシングは不思議なもので自信のないルアーを使っていると、釣りが雑になるのか?、それとも諦めが早くなるのか?、なかなか思うように魚は釣れてくれません。ところが信頼しているルアーを自信満々に使えば集中力が高まるせいか、あっけなく魚は釣れてしまうものです。実釣でのメンタル面を強化するという意味でもハンドメイドルアー作りは「できることは全てやってみよう!」主義でいきましょう。
アッ!「えらいこっちゃ!」。
ここまで来て大変なことに気が付きました。私が使っているような精密なハカリは、一般の家庭にあるでしょうか?。多分、あるとすればクッキング用の計量バカリ。私のコラムを読んでバルサ材の重さを量ってやろうと思っている方がいるなら、奥さん(もしくはお母さん)の目を盗んでキッチンにあるクッキング用ハカリで量ってみるというのはどうでしょうか?。なお、量っている現場を見つかって「コラ〜何しとんじゃ〜!」と叱られても私はいっさい責任を負いませんのであしからず。